「他社でも効果が出ています」という代理店の説明、どこまで信じていい?

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「同じ業界の他社様でも、この施策で効果が出ています」——代理店からこう説明されると、なんとなく安心してしまわないでしょうか。しかし、その安心感は、事例の中身を確認した結果ではなく、「他社もやっている」という情報だけから生まれていることが少なくありません。この記事では、他社事例の説明をどこまで信じていいのか、鵜呑みにしないための考え方を紹介します。

この記事のポイント

  • 「他社でも」は、自社に当てはまる保証にはならない
  • 人は「みんなやっている=正しい」と感じやすい心理的な傾向(社会証明バイアス)を持っている
  • 業種・規模・予算などの条件が自社と一致しているかを確認することが、鵜呑みを避ける第一歩

なぜ「他社事例」に安心してしまうのか

人には、「多くの人や企業が支持しているものは、安全で正しい」と感じやすい心理的な傾向があります。これは「社会証明の原理」と呼ばれるもので、営業の場面でも効果的に使われます。「他社でも効果が出ている」という説明を聞くと、内容を精査する前に、「大丈夫そうだ」という安心感が先に生まれてしまうのです。この安心感自体は自然な反応ですが、事業の意思決定においては、安心感と妥当性を切り分けて考える必要があります。

鵜呑みにしないための3つの確認

①条件(業種・規模・予算・目的)が自社と一致しているか

「他社」がどんな業種・規模・予算・目的を持つ会社なのかを具体的に確認してください。条件が大きく異なる場合、その事例で得られた成果が、自社にそのまま当てはまるとは限りません。「詳しくは言えませんが」で済まされる場合は、参考情報としての価値は限定的だと考えたほうがよいでしょう。

②「効果が出た」の定義を具体的に確認する

「効果が出ている」という言葉は、問い合わせ数の増加を指す場合もあれば、単なるクリック数の増加を指す場合もあります。どの指標が、どの程度改善したのかを具体的に確認してください。自社にとって重要な指標(売上・成約数など)と違う指標での「効果」であれば、参考にする価値は下がります。

③その事例は、都合よく選ばれた一例ではないか

代理店が紹介する事例は、当然ながら成果が出た好例が選ばれています。同じ施策を行った他の顧客の中に、成果が出なかったケースがどれくらいあるのかは、こちらから尋ねない限り出てこないことがほとんどです。「うまくいかなかったケースはありますか」と質問してみることも、事例の信頼性を見極める有効な方法です。

高丸の視点

代理店側で他社事例を紹介する立場だったとき、当然ながら成果が出た事例を選んで紹介していました。それ自体は営業として自然なことですが、事業側の視点も持つようになった今、「うまくいかなかったケースも聞いてみる」ことの大切さを、以前より実感しています。

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代理店を疑うためではなく、対等に話すための確認

ここで紹介した確認は、代理店を疑って関係を悪くするためのものではありません。むしろ、条件や成果の定義を具体的に確認する姿勢を見せることで、代理店側も安易な事例の紹介ではなく、自社の状況に即した提案をしてくれるようになります。提案を鵜呑みにせず確認する姿勢全般については、代理店の提案、鵜呑みにしていませんか?危険なサインチェックリストもあわせてご覧ください。

他社事例以外の提案の妥当性そのものを判断したい場合は、代理店の提案が正しいか判断できないときに、まず確認すべき3つのことも参考になります。

それでも判断が難しい場合

事例の条件や成果の定義を確認しても、それが自社にとって本当に参考になるかどうかの判断は、専門知識がないと難しく感じることもあります。事業目線で、代理店の説明を一緒に整理してくれる第三者(事業側のWeb担当)に相談することも、有効な選択肢の一つです。

まとめ

「他社でも効果が出ています」という説明を受けたときは、「条件が自社と一致しているか」「効果の定義は何か」「都合よく選ばれた事例ではないか」の3つを確認してみてください。安心感に流されず、この3つを確認する習慣があれば、他社事例を適切な参考情報として活用できるようになります。

よくある質問

Q他社事例を聞くこと自体は意味がないのでしょうか?

A意味がないわけではありません。むしろ具体的な事例を聞くことは有効な情報収集です。問題は、事例の内容を確認せずに「他社でも成果が出ているなら大丈夫」と鵜呑みにしてしまうことです。

Q代理店に事例の詳細を質問すると、失礼にあたりませんか?

A失礼にはあたりません。良い代理店であれば、事例の条件や成果の定義について具体的に説明してくれます。曖昧にしか答えられない場合は、その事例の参考価値が低い可能性があります。

Q「社会証明の原理」とは何ですか?

A多くの人や企業が支持しているものは安全・正しいと感じてしまう心理的な傾向のことです。「他社もやっている」という情報だけで安心してしまうと、自社にとっての妥当性を冷静に判断しにくくなります。

Q同業種・同規模の事例であれば、信頼していいですか?

A条件が近いほど参考にはなりますが、それでも「成果の定義」や「その事例が都合よく選ばれたものではないか」は確認しておくとよいでしょう。条件の近さは判断材料の一つであり、それだけで決め手にする必要はありません。

Q事例の妥当性を自分だけで判断する自信がありません。どうすればいいですか?

A事業目線で、代理店の説明を一緒に整理し、自社への当てはまり具合を確認してくれる第三者に相談することも、有効な選択肢の一つです。

判断から実行まで、事業側の視点で伴走します。

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