広告代理店、SEO会社、制作会社——それぞれ別の会社に依頼していると、各社から届く提案や報告がバラバラで、全体として何を優先すべきかが分からなくなっていないでしょうか。この記事では、複数の依頼先がバラバラに動いている状態を整理するための考え方を紹介します。
この記事のポイント
- バラバラになるのは各社の力量の問題ではなく、契約構造そのものが原因
- 解決策は「1社への統合」ではなく、全体を俯瞰する判断役を別に置くこと
- 判断役は社内の人間でなくても、外部パートナーに任せることもできる
なぜ複数の代理店・制作会社はバラバラに動いてしまうのか
広告代理店は広告の成果を、SEO会社は検索順位を、制作会社はサイトの品質を、それぞれの専門領域の中で最適化しようとします。各社の提案は、それぞれの担当範囲においては間違っていないことがほとんどです。しかし、事業全体としてどこに投資すべきかを俯瞰する視点がなければ、各社の提案がかみ合わないまま、部分最適の積み重ねで終わってしまいます。
これは、各社の力量の問題ではなく、契約の構造そのものに起因します。それぞれの会社は、あくまで自社が受注した範囲について成果を出すことを求められているため、契約範囲外の領域まで責任を持って調整することは、本来の役割を超えた対応になってしまうのです。
バラバラな状態が引き起こす問題
この状態を放置すると、いくつかの問題が起こりやすくなります。広告代理店が新しいキャンペーンを提案する一方で、制作会社がサイトの改修を提案し、SEO会社がまた別のコンテンツ施策を提案する——それぞれは妥当な提案でも、限られた予算と体制の中ですべてに同時に取り組もうとすると、どれも中途半端になりがちです。
さらに、ある会社の施策が別の会社の施策と干渉してしまうこともあります。たとえば広告のランディングページを制作会社が改修した結果、SEOで積み上げてきたページ構成が崩れてしまう、といったケースです。各社は他社の施策内容を把握していないことが多いため、こうした干渉に誰も気づかないまま進んでしまうリスクがあります。
実際に、広告用に作ったLPの構成変更が、他社が積み上げてきたSEOの評価に影響してしまうケースを見てきました。各社は悪気なく、それぞれの契約範囲内で最善を尽くしているだけに、こうした干渉には誰も気づきにくいというのが実感です。
全体を整理するための考え方
複数の依頼先がバラバラに動いている状態を整理するには、各社をまとめて1社に統合するのではなく、それぞれの専門性を活かしたまま、全体を俯瞰して優先順位を判断する役割を別に置くという考え方が有効です。この役割は、各社の提案を「良い・悪い」で評価するのではなく、「事業全体の目的に照らして、今どれを優先すべきか」を整理する立場です。
優先順位そのものの決め方については、Web集客の「優先順位」を、社内に判断できる人がいなくても決める方法で詳しく解説しています。
判断役を誰が担うか
この判断役は、必ずしも社内の人間である必要はありません。社内に適任者がいない場合は、事業側のWeb担当のように、事業目線で複数の提案を整理してくれる外部パートナーに、この役割を担ってもらうという方法もあります。既存の代理店・制作会社との契約を解消する必要はなく、それぞれの関係を維持したまま、全体の整理役だけを別に確保する形です。
整理役を確保する際の進め方
整理役を新たに置く場合は、いきなりすべての契約に介入してもらうのではなく、まずは現状の依頼内容と契約範囲を棚卸しし、各社が把握していない他社の動きを共有するところから始めるとスムーズです。全体像を把握したうえで優先順位の整理に進むという順序を踏むことで、既存の関係を崩さずに整理役を機能させやすくなります。
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無料相談はこちらまとめ
複数の代理店・制作会社がバラバラに動いている状態は、各社の専門性の問題ではなく、事業全体を俯瞰して優先順位を判断する役割が不在であることが原因であるケースが多くあります。統合を急ぐのではなく、まずは全体を整理する判断役を確保することから検討してみてください。
よくある質問
Q1社にすべて依頼するよう統合したほうがいいですか?
A必ずしもそうとは限りません。統合すると窓口は一本化されますが、それぞれの分野で専門性の高い会社を選べなくなる場合もあります。まずは判断役を立てることから検討してみてください。
Q各社に、他社とのやり取りを直接お願いするのはどうですか?
A有効な場合もありますが、各社はあくまで自社の担当範囲の中で最適化しようとするため、事業全体を俯瞰した調整までは期待しにくいのが実情です。全体を見る役割は、どこか一箇所に置く必要があります。
Q判断役は、社内の人間でなければいけませんか?
Aそうとは限りません。社内に適任者がいない場合は、事業側の視点で複数の提案を整理してくれる外部パートナーに、判断役を担ってもらうという方法もあります。
Q各社の提案が矛盾する場合、どう扱えばいいですか?
A矛盾すること自体は珍しくありません。それぞれが自社の専門領域から見て最適だと考える提案をしているためです。矛盾を解消するには、事業全体の目的に照らして優先順位をつける役割が必要になります。
Qこの状態を放置すると、どんな問題が起きますか?
A各社がそれぞれの担当範囲で部分最適な提案を続け、全体として何を優先すべきかが曖昧なまま、予算だけが分散して使われてしまうことがあります。