「新しい広告メニューが増えたので、御社にもおすすめです」——付き合いのある代理店から、一度に2つも3つも新しい提案を受けたことはないでしょうか。どれも「効果がありそうです」という説明はつくものの、専門知識がない立場では、その中のどれを優先すべきか判断しづらいものです。この記事では、複数の提案を同時に受けたときに、事業側の視点で絞り込むための考え方を紹介します。
この記事のポイント
- ①今の課題と直結しているか——新しさではなく、今解決したい課題との関係で評価する
- ②同時に進める体制があるか——複数を並行して検証すると、どれが効いたか分からなくなる
- ③小さく検証できる形になっているか——いきなり本格導入ではなく、検証できる範囲を確認する
なぜ「複数の新メニュー」は判断が難しいのか
代理店から複数の提案が同時に来ると、「せっかく提案してくれたのだから、いくつか試してみよう」という気持ちになりがちです。しかし、複数の施策を同時に始めると、後から振り返ったときに「結局どれが効果につながったのか」が分からなくなります。加えて、それぞれの提案は個別には魅力的に聞こえるように作られているため、比較する軸を持たずに聞くと、どれも同じくらい良さそうに見えてしまいます。
だからこそ、複数の提案を並べて眺めるのではなく、共通の基準で順位をつけてから絞り込むことが重要になります。
絞り込むための3つの視点
複数の新メニューを提案されたときは、以下の3つの視点で1つずつ評価してみてください。
①今の課題と直結しているか
まず確認すべきは、「このメニューは、今自社が抱えている課題のどれを解決するものか」です。新しさや話題性ではなく、現在の優先課題(認知が足りないのか、比較検討で離脱しているのか、申込の手前で止まっているのか)のどこに効くものかを1つずつ当てはめてみてください。当てはまる課題がはっきりしない提案は、優先順位を下げても問題ありません。
②同時に進める体制があるか
複数のメニューを同時に始めると、確認・調整・効果測定の負荷も同時に増えます。自社側で対応できる範囲を超えて並行導入すると、どの施策の効果か分からないまま時間だけが過ぎてしまうことも少なくありません。同時に検証できるのは基本的に1〜2個までと考え、残りは順番を待たせる判断も必要です。
③小さく検証できる形になっているか
優先度が高いと判断したメニューでも、いきなり大きな予算や期間で本格導入する必要はありません。まずは小さな範囲・短い期間で検証できないかを代理店に確認してください。検証してから本格導入するかを決める、という2段階の進め方にするだけで、判断のリスクを大きく減らせます。
代理店側からすると、新しいメニューの提案自体は営業活動の一環であり、それ自体は自然なことです。問題は、提案を受け取る事業側に「今は見送る」という選択肢が用意されていないケースが多いことだと感じています。全部に「はい」と答える必要はありません。
複数の提案、どれから検討すべきか一緒に整理しませんか?
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3つの視点で順位をつけたら、上位1〜2個だけをまず代理店と検証し、残りは「今回は見送る」または「次の検討タイミングまで保留する」と明確に伝えてください。保留にする場合も、何が整ったら再検討するか(予算が確保できたら、今の施策の効果が見えたら、など)を決めておくと、次に同じ提案が来たときにも迷わず判断できます。この考え方は、新しい広告メニューに限らず、様子見か試すべきかを判断する場面全般に応用できます。詳しくは「とりあえずやってみる」か「判断してから動く」か、事業側が選ぶべき基準もあわせてご覧ください。
それでも判断がつかない場合
提案の専門的な説明を聞いても、自社にとっての優先度を判断する自信が持てないという方も少なくありません。そうした場合は、代理店の説明を鵜呑みにせず、事業目線で複数の提案を一緒に比較・整理してくれる第三者(事業側のWeb担当)に相談することも、有効な選択肢のひとつです。
まとめ
代理店から複数の新メニューを勧められたときは、「今の課題と直結しているか」「同時に進める体制があるか」「小さく検証できる形になっているか」の3つで1つずつ評価してみてください。すべてに答えようとせず、優先順位をつけて絞り込むことが、判断の質を保つ近道です。
よくある質問
Q代理店から勧められるメニューは、基本的に断って良いのでしょうか?
A断ることが目的ではありません。提案の中には自社にとって有効なものも含まれている可能性があります。大切なのは、良し悪しを事業側の基準で判断してから答えを出すことです。
Q一度に複数の提案が来た場合、すべて同時に検討すべきですか?
A同時に検討する必要はありません。むしろ同時に検討すると判断が甘くなりやすいため、この記事の基準で1つずつ順位をつけ、上位1〜2個に絞ってから検討することをおすすめします。
Q代理店の説明だけでは効果が読めない場合はどうすればいいですか?
A効果が読めないこと自体は珍しくありません。その場合は、小さく検証できる範囲や期間を代理店に確認し、検証してから本格導入するかどうかを判断する進め方が現実的です。
Q毎回この判断を自社だけで行うのは負担が大きいです。
Aその負担を感じる場合は、事業側の視点で提案を一緒に評価してくれる第三者に相談する方法もあります。専門知識よりも、事業にとっての優先順位を一緒に整理できるかどうかが重要です。
Q絞り込んだ結果、何も導入しないという判断もありですか?
A十分にありえる判断です。今は導入しないと決めることも、根拠を持って行えば立派な意思決定です。「様子見」にする場合も、次に検討を始める条件だけは決めておくと後で判断しやすくなります。