代理店の広告運用に不満や疑問を感じたとき、「いっそ内製化してしまおうか」という考えがよぎる会社は少なくありません。内製化のメリット・デメリットの総論を解説する情報は多くありますが、「自社にとってどちらを選ぶべきか」を判断するための具体的な軸はあまり語られていません。この記事では、その考え方を紹介します。
この記事のポイント
- ①「代理店への不満」と「内製化の適性」は別の話——不満の解消と体制転換を混同しない
- ②二択ではなく、ハイブリッド型という選択肢もある——完全内製化以外の道を検討する
- ③広告費の規模と社内リソースを掛け合わせて判断する——どちらか一方だけでは判断できない
なぜ内製化の判断は感情的になりやすいのか
代理店の対応に不満が募ると、「もう自社でやった方がマシだ」という感情的な結論に流れやすくなります。しかし、内製化は体制・人材・ツールへの投資を伴う大きな意思決定であり、不満をきっかけに勢いで判断すると、想定していた成果が出せずに苦労するケースが少なくありません。まず不満の正体と、内製化の適性を切り分けて考える必要があります。
判断のための3つの視点
①「代理店への不満」と「内製化の適性」は別の話
代理店への不満の多くは、レポートの分かりにくさやコミュニケーション不足など、運用体制そのものではなく「関係性の問題」であることが少なくありません。まずは代理店を変えることで解決する不満なのか、代理店という仕組み自体をやめる必要がある不満なのかを切り分けてください。
②二択ではなく、ハイブリッド型という選択肢もある
「内製化する」か「代理店を続ける」かの二択で考えがちですが、戦略や意思決定は社内で担い、日々の入稿や調整といった実務は外部に委託するハイブリッド型という選択肢も広く採用されています。完全内製化に踏み切る前に、この中間的な体制を検討する価値があります。
③広告費の規模と社内リソースを掛け合わせて判断する
広告費の規模が小さいうちは、専門人材を採用・育成するコストが広告費を上回ってしまうことがあります。一方で広告費の規模が大きく、かつ社内に育成できる人材がいる場合は、内製化によるコストメリットが大きくなります。どちらか一方の条件だけで判断せず、両方を掛け合わせて考えてください。
代理店側・事業側の両方の実務を経験してきた立場から言うと、「代理店への不満」から内製化を検討し始める会社は多いのですが、実際に整理してみると代理店を変えるだけで解決するケースも少なくありません。不満の正体を先に切り分けることが、遠回りに見えて一番の近道です。
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広告運用以外の領域では、SNS運用を代理店からインハウスに戻すべきか判断する視点もあわせてご覧ください。媒体は異なりますが、「不満の正体を切り分けてから判断する」という考え方は共通しています。
それでも判断がつかない場合
内製化と代理店継続のどちらか一方を勧める立場ではなく、自社の広告費規模・人材状況・事業のスピード感を踏まえて中立的に整理してくれる第三者(事業側のWeb担当)に相談することも、有効な選択肢のひとつです。
まとめ
広告運用を内製化すべきか代理店を続けるべきかは、「不満の正体の切り分け」「ハイブリッド型という中間の選択肢」「広告費規模とリソースの掛け合わせ」の3つの視点で判断してください。感情的な結論に流されず、自社の状況を整理した上で判断することが重要です。
よくある質問
Q内製化と代理店継続、どちらが正解ということはありますか?
A一律の正解はありません。広告費の規模、社内の人材状況、事業のスピード感によって最適な答えは変わります。自社の状況に照らして判断することが重要です。
Q完全内製化と完全外注以外の選択肢もありますか?
Aあります。戦略や意思決定は社内で、実務の一部は外部に委託するハイブリッド型という選択肢も広く採用されています。二択で考える必要はありません。
Q内製化の判断を急ぐべきタイミングはありますか?
A急いで判断すべきものではありません。むしろ勢いで完全内製化に踏み切ると、成果が説明できない状態に陥るリスクがあります。段階的な検討をおすすめします。
Q内製化のコストは代理店費用より必ず安くなりますか?
A必ずしも安くなるとは限りません。人材の採用・育成コストやツール費用がかかるため、広告費の規模によっては代理店に委託する方が総コストで有利な場合もあります。
Qこの判断を自社だけで行うのが難しい場合はどうすればいいですか?
A内製化と代理店継続のどちらか一方を勧める立場ではなく、自社の状況を中立的に整理してくれる第三者に相談する方法もあります。