「Web担当は今も元気に働いているので大丈夫」——そう思っていても、その担当者しかログイン情報を知らない、その担当者にしか判断の理由が分からない、という状態は、立派な属人化です。退職や休職といった"もしも"が起きてから対応するのでは遅く、今のうちに整理しておく必要があります。この記事では、実際に属人化を解消するための整理法を、3つのステップで紹介します。
この記事のポイント
- ①業務の一覧化——何を、どのくらいの頻度でやっているかを洗い出す
- ②判断基準の言語化——作業手順だけでなく「なぜそうしているか」を残す
- ③引き継ぎ可能な状態への整備——アクセス権・履歴・連絡先を整理する
なぜ「今は大丈夫」が危ないのか
属人化は、担当者が休んだり辞めたりして初めて表面化する問題です。今何も起きていないということは、リスクがないという意味ではなく、まだ表面化していないだけという場合がほとんどです。マニュアル作成という言葉だけが独り歩きしがちですが、実際に何を、どの順番で整理すればいいのかが分からず、結局手をつけられないまま時間が過ぎてしまうケースをよく見かけます。
属人化を整理する3つのステップ
属人化の解消は、以下の3つのステップで進めると取り組みやすくなります。
①業務の一覧化
まずは、担当者が日常的にやっている業務を、思いつく限りすべて書き出してください。「広告運用」「SNS投稿」だけでなく、「代理店とのメールのやり取り」「月次レポートの作成」など、細かい作業まで含めることがポイントです。この段階では整理せず、とにかく数を出すことを優先してください。
②判断基準の言語化
次に、一覧化した業務の中から、判断が伴うものを選び、「なぜその判断をしているか」を言葉にしてください。例えば「この予算配分にしている理由」「この時期に投稿している理由」など、作業手順だけでは分からない判断の背景こそ、属人化の中で最も引き継ぎにくい部分です。
③引き継ぎ可能な状態への整備
最後に、ログイン情報、過去のやり取りの履歴、代理店の連絡先などを、担当者以外もアクセスできる場所にまとめてください。誰かに実際に引き継ぐタイミングでなくても、「いつでも引き継げる状態」にしておくこと自体が、属人化リスクを大きく下げます。
属人化の整理で一番後回しにされるのが、②の「判断基準の言語化」です。作業手順は比較的書き出しやすいのですが、"なぜそうしているか"は本人にとって当たり前すぎて、言語化する発想自体が出てこないことが多いです。ここに第三者が入ると、驚くほどスムーズに引き出せます。
属人化の整理、一緒に進めませんか?
無料相談はこちら退職が決まってからでは遅い
この整理は、退職や休職が決まってから慌てて行うものではなく、「今何も起きていないうち」に進めるほうが、時間にも心にも余裕を持って取り組めます。すでに退職が決まっている、あるいは既に退職してしまった場合の緊急対応については、Web担当者が退職してしまった。何から手をつければいい?もあわせてご覧ください。
それでも整理を自社だけで進めるのが難しい場合
本人だけでは、当たり前になりすぎて言語化しにくい判断基準も少なくありません。そうした場合は、事業目線で業務の整理を一緒に進めてくれる第三者(事業側のWeb担当)に相談することも、有効な選択肢のひとつです。
まとめ
Web担当の属人化は、「業務の一覧化」「判断基準の言語化」「引き継ぎ可能な状態への整備」の3ステップで整理できます。今何も問題が起きていないタイミングだからこそ、落ち着いて着手できる好機と捉えてください。
よくある質問
Qマニュアルを作ればそれで属人化は解消しますか?
Aマニュアル化は有効ですが、それだけでは不十分です。マニュアルに書ける「作業手順」だけでなく、なぜその判断をしているのかという「判断基準」まで残しておかないと、実際に引き継いだ後に困ることがあります。
Q本人に整理をお願いすると、負担が増えて反発されませんか?
A一度に全部を求めるのではなく、この記事の3ステップに分けて、少しずつ進めることをおすすめします。「もしものときのため」という前向きな目的を共有すると、協力を得やすくなります。
Q整理にはどのくらいの期間がかかりますか?
A業務の複雑さによりますが、3ステップを本業と並行して進める場合、数週間から数ヶ月かかることもあります。完璧を目指さず、まずは全体像の一覧化から着手することが重要です。
Q整理した後、誰かに引き継ぐ必要はありますか?
Aすぐに引き継ぐ相手がいなくても構いません。まずは情報を整理し、いつでも引き継げる状態にしておくこと自体が、属人化リスクを大きく下げます。
Q自社だけで整理を進めるのが難しい場合はどうすればいいですか?
A専門知識がなくても、事業目線で業務の整理を一緒に進めてくれる第三者に相談する方法もあります。本人だけでは気づきにくい抜け漏れも、第三者の視点で発見しやすくなります。